日立製作所の看板(「Wikipedia」より/Gnsin) この世の春を謳歌する日立製作所に、2つの火種がくすぶっている。三菱重工業との火力発電事業での訴訟と、英国の原子力発電所プロジェクトだ。好業績に加え、中西宏明会長が経団連会長に就任したことで名実ともに「日本の顔」としての存在感が増すが、その基盤は盤石ではない。 「収益構造としては、頭ひとつ抜け出した」 電機業界に詳しい証券アナリストは、日立が7月末に発表した2018年4-6月期決算をこう語る。営業利益、純利益いずれも過去最高。19年3月期の通期見通
日立が原発計画を進める英国・ウェールズのアングルシー島。既存原発は止まり、失業率は高い(ロイター/アフロ) 日本企業による“原発輸出”は実現するのか。 「バンカブル(融資可能な状況)にして2019年のFID(最終投資決定)を迎える」(日立製作所の東原敏昭社長) 「いろんな形で可能性を追求しながら、FS(フィージビリティスタディ=実行可能性調査)を続けている」(三菱重工業の宮永俊一社長) 日立は英国で、三菱重工はトルコで原子力発電所のプロジェクトを進めている。2018年3月期決算発表の場で、両社長はそれぞれ
三菱重工業内で、また一つアラートが鳴り始めた。「アトメア1」の採用を前提に計画が進められている、トルコにおけるシノップ原子力発電所プロジェクトだ。