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2005-05-26(Thu) [長年日記]
■ なぜ日本製ソフトウェアが買われるか
そして、オープンソースが入る隙間はあるのか? ということについて、吉岡さんのblogのコメントに面白い意見があった。
日本製だから(=ソースコードが手元にあるから)モノを買ってもらえていたのではないでしょうか?(特にメインフレーム系)。
-中略-
オープンソース化によって、(多くのソースコード読み技術者を抱え込んでいる)会社が同じレベルのサポートを非自社製品に対してもできるのだ、ということが理解できれば、
[未来のいつか/hyoshiokの日記 - アメリカにしかソフトウェア産業はないのか? のコメントより引用]
日本製ソフトウェアが日本で買われる理由は、「ソースを持っていて、それにより確実なサポートが得られるから」ということで、これはもっともな事だと私も思う。
何か困ったことがある時に、「米国本社に問い合わせます」と言って、時差の関係も有って、回答が明日、そして再質問すると、その回答は、またその先… というのは、まだるっこしい。
例え使いにくくて「こりゃ不良ではないか?」と思って質問したときに、バリッとコードを書いているエンジニアが来てくれて、「そこはこう作られているので、こうなります」と、すぐにはっきり言ってくれる方が、無駄なあがきをしなくて済んでGOODです。そして、そこが日本製ソフトウェアを買う理由である可能性は高いでしょう。
で、それが「オーブンソースでも出来ますよ」と言えば売れるかというと、そうかもしれないけど、「オープンソースでも同じですよ」と言えるかは「コスト的に実現が出来ないんじゃないか?」と思う。
お客様に、もう一つ理解してもらう点として「オーブンソースと言っても、ソースを見てサポートするコストは、プロプラエタリな日本製ソフトウェアを利用していたときと同じくらいのコストが掛かりますよ」などか無いと、オープンソース以前と同じサービスは無理ではないだろうか? 結局、ソースを見て、バリッとするためには、一から書かれた日本製ソフトウェアと同じくらいの労力が掛かってしまうような気がする…
コミュニティで作られたイニシャル・ソースがあるから、初めの一歩分は、コストが安くできるような気もするけど、結局、最初の一歩分のソースを作り出すコストと同じくらい、「オープンソースで作られた既存のソースを理解する」ってコストが掛かるんではないかなぁ〜
と考えると、オープンソースのうれしさを何処に求めるかが問題ですね。
■ ソフトウェア標準化はダメ?
さらに、吉岡さんのBlogへのトラックバックの中で
国内大手ITベンダーでは先進的なミドルウェアの実装をしていたりするけど、それらはワーキンググループで規格や標準が定められたものを作っているだけだ。
[tsukimisobaの日記 - 日本にソフトウェア産業がないより引用]
と標準化を否定する意見があった。
おぅ。同じ機能をベンダーが各自全く独自の実装をしていて、ベンダーにロックインされてしまって、「イヤだなぁ」って感じだったのが、最近は、国内ベンダーも標準化を、ちゃんと行ってくれるようになって、ワーキンググループで規格や標準が定められて物が出来るようになって、「ベンダーを競争されて選べる時代になって良くなったなぁ」と思っていたのだけどな。 ベンダー毎にバラバラで、独自仕様の方が、「独自性が有って良し」とする人もいるんですね〜
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