「罠」にはまればおカネを喪失、長寿社会を生きていけない(デザイン:池田 梢) 2013年3月20日。たまたま東京に滞在していた北陸地方在住の佐藤凛さん(仮名・37歳)に郵便局員から電話があった。保険契約をしてほしいという。「投薬治療中だから契約できない」と断ったが、その局員は凛さんがかつて作成した損害保険の契約書の署名をなぞり、「佐藤」の名字の印鑑を購入し押印。養老保険の契約書を偽造した。 同29日昼にはその局員が凛さんの自宅を訪れ、凛さんの夫・健一さん(仮名・35歳)にかかわる保険契約を迫った。健一さん
東京医科大学入試得点操作問題に関して会見する行岡哲男常務理事(写真:ロイター/アフロ) 東京医科大学(以下、東京医大)の不正入学疑惑が世間を騒がせている。続々と新事実が出てくる。7月14日には不正入学者のリストが存在し、毎年10名程度が不正に入学していたことが判明した。東京医大の評判は地に落ちた。 今回の事件を会社員の知人と話したとき、「あんなのは、みなやっているんでしょ。製薬企業との癒着もひどいし、研究不正も日常化している。“お医者様”の感覚は世間とはずれていると思うよ」と言われた。おそらく、世間が医師
組織的な天下りや学校法人「加計学園」を巡る問題など不祥事が続いてきた文部科学省に新たな疑惑が浮上した。同省事務方トップの事務次官の有力候補と目された局長が大学側への便宜の見返りに、わいろとなり得る「わが子の不正合格」を得たという受託収賄事件。教育行政への信頼を揺るがす事態に、同省関係者は言葉を失った。 「局長逮捕」が明らかになった4日夕、文部科学省に衝撃が駆け抜けた。「恥ずかしい話で、モラルがゆがんでいる。文科行政を担う者として失格だ」「教育をつかさどる文科省が最も信用を失うのが、この手の裏口入学だ。残念