コインチェックから巨額の仮想通貨が流出した事件や、その後の金融庁による監督強化で、仮想通貨業界の風景は大きく変わった。この数カ月の動きを中心に、仮想通貨業界の変動を見てみよう。
仮想通貨は、その急騰劇とビットコイン取引所であるコインチェックへのハッキング被害により、一時は異様なほどの高まりを見せた。現在は、500億円を超える被害額について、補償問題も絡めた神経質な議論が続いている。今後の動きについて、関係者はどう見ているのか。
「実は私もあの会社の被害者なんです!」――。斎藤一樹さん(36歳、仮名)は、自分の身に起きたトラブルに憤りを隠さない。斎藤さんのいう「あの会社」とは、1月26日に当時のレートで約580億円にも上る仮想通貨の流出事件を起こした、大手取引所のコインチェックだ。
コインチェックに続き、イタリアのBitGrailでも180億円以上のNanoコインが不正に送金されるなど、立て続けに巨額の不正送金で揺れる仮想通貨界隈。取引所のサイバー攻撃や詐欺が大きな問題になっているが、地味に続く仮想通貨周辺のサイバー攻撃に「マイニング(採掘)マルウェア」がある。2017年春ごろからセキュリティベンダーなどに確認され、その後も攻撃は続いている。直接の金銭被害はないが、派生するリスクは無視していいものではない。
コインチェックは販売業者と取引所の二つの顔。その隙間に生じたインサイダーのチャンス。「保全」義務軽く抜け穴
短時間に時価580億円の仮想通貨NEM(ネム)が流出したコインチェック事件は、27歳起業家社長と、欲の皮を突っ張らせてナケナシの金をつぎこんだカモたちの自業自得の「仮想劇場」と化し、はやし立てる報道はダッチロール気味である。
犯人追跡は、警察より「みなりん」を名乗るプログラマーが頼りだ。NEMのトークンでマーキングして流出先の口座は判明したものの、犯人を特定できず膠着状態。ダークウェブでの換金で犯
ビットコインが暴騰しているさ中にも、コインチェックの不正流出事件発生による価格低下の連鎖局面でも、仮想通貨を扱って儲けている人たちがいる。