一定の年齢に達すると役職を外され、実質的な給与ダウンとなる「役職定年」。IT業界でも導入が進んでいるが、一方で現場をリードしてきた50代の管理職が翻弄されている。モチベーションが下がり、長年勤めた会社を去るケースも。50代を襲う“恐怖の役職定年”を探ってみた。
IT業界でも働き方改革が大ブームとなった。日本を代表する“長時間労働産業”の一角で、ブラック企業も多数紛れ込んでいる業界だから、当然と言えば当然。だが今やるべきは、ITベンダーに過剰サービスを強要するユーザー企業の撲滅だ。
過労によるうつ病などの精神障害は20人、うち自殺は4人(未遂含む)――。これは、IT企業を含む情報通信業の従業員が、「業務による過労自殺等」として2015年度に東京都内で労災認定された数である。
2017年2月28日に公開したコラム「記者の眼」では、過労のためうつ病などの精神疾患になる割合ではIT業界がワースト1である事実と、その背景に「客先常駐」や「多重下請け構造」などの業界慣習があることを紹介した。
IT業界には「Excelスクショ」なる言葉がある。情報システムのGUIテストにおいて、テスト実施時にスクリーンショットを取得して、画像をExcelシートに貼り付けていく作業だ。IT現場で問題視されがちな非効率な作業の代名詞だが、ここ1~2年で改善の兆しが見えてきた。