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2004-10-21(Thu) [長年日記]
■ 海王丸座礁?
そうだ、何を書くのか思い出した。
今朝のニュースで航海訓練所 練習船 海王丸が富山の防波堤にぶつかっていることがニュースになっている。
Webで調べると、静岡の学生が乗っていたこともあり静岡新聞が詳しい。
静岡新聞: 海王丸が防波堤衝突 静岡の学生40人乗船 富山
朝テレビで見たときには、船体の損傷もあまり見えず、平気だろうと思ったけど、新聞の記事によると、発電機も停止しているということだし、非常に心配です。
発電機が止まっていると言うことは、船なので外から電気を電線で引っ張ってきている分けではないので、ポンプも止まっているって事で、
・船内の部屋の電気は止まっていると言うこと
-つまり居室はスカッツル(丸窓)があるから、まっくらと言うことは無いけど暗い。
-第二教室は窓が内から真っ暗。
-機関室も天窓の光が届かない所は暗い。
・トイレの水も流れない
・火事になっても消化用ポンプは使えない。
かなり、大変な状況な事でしょう。
ついていないことに、10月で冬学期に入ったばっかりで、実習生も鍛錬が進んでいない時期、9月初めだったら、6ヶ月の実習も終わりに近く遠洋航海から帰ってきた、ばりばりに鍛えられた大学生だったのに、乗ったばっかりで、こんな目に会う学生も、かわいそうです。
私が、遠洋航海の実習を海王丸で受けたときには、講義の中で、先代の海王丸が、戦前に台風に巻き込まれ、六号救命艇が剥ぎ取られるなど大きな被害に遭って大変だったと聞いて「ふーむ 昔は気象衛星も無かったし、台風がどこにいるのかも分からなかったから大変だったんだなぁ」と思っていたけど、台風の位置と勢力が分かっている現在でも、自然の力は恐ろしく、錨が流されるなんて事があるんですね。
確かに、帆をたたんでいても、海王丸はヤード(帆下駄)で風の影響が大きいくて、実習中も、機走しているにも関わらず逆風だと、ヤードに掛かる風の影響で2knot位スピードが落ちていたし、「ふん 2500tクラスの船なら小さいし楽勝」と思って乗ってくる帆船を扱ったことがないパイロット(水先案内人)が港で、思わぬ風に煽られて困るのを見たことがあったけれど…
台風の力には、ひっくりです。
そういえば、日本が練習船として、4隻(北斗って、いまは減ったんだけっけ?)の5000tクラスの汽船と、2隻の2500tクラスの帆船を持っているのは、昔、このようなまとめて学生を乗せられる練習船が無くて、小型の船で船員養成の実習を行っていたために、台風で多くの若い学生が遭難に巻き込まれ亡くなったからなんですよね〜
今回の事故で、大きな被害が出ないことを節に願います。
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確かにディンギーでは15m以上の風であればベアポールでも<br>風下側へは舵も効きながら操船できました。<br><br> 帆船は乗った事はありませんが、昔々、Long long a go の時代では、嵐に巻き込まれえ最終手段として、洋の東西を問わずマストを倒していたと思いますが、現在の帆船にはマストを倒す、切り離すと言う選択が出来ない構造に成っているのでしょうか?<br><br> 元々、帆船の構造上、本来の復元力は現在の貨物、客船よりも高いのでしょうが、帆は畳まれているだけで船内に回収されていないので、風圧を受けやすい状態で重心が高い位置なって居た事もアンカーも流された、ひとつの原因かとエンジンが止まっていた事の原因は、まだ知りませんがマストを切り離すことが出来れば遭難の状態は変わっていたかもしれませんね。